状態空間モデルによる観光来訪者数の解析

伊東宏樹

2025-04-26

Kanazawa.R #3

[Kanazawa.R #3]

金沢市への観光来訪者数はどのように変動しているか

  • 公益社団法人 日本観光振興協会 デジタル観光統計オープンデータを利用

    • 2021年以降の全国各市区町村の観光来訪者数を集計したデータ

      • 携帯電話位置情報から取得
  • 金沢市の2021〜2024年のデータを抽出

読み込み・整理したデータ

デジタル観光統計オープンデータ(https://www.nihon-kankou.or.jp/home/jigyou/research/d-toukei/)(2025年3月11日)を加工して作成しました。

状態空間モデル

潜在的な状態の時間変化と、状態から観測値が得られる過程を分離してモデリング

  • 状態モデル
    • 回帰: 能登半島地震の影響(地震発生の2024年1月以降を示すダミー変数を説明変数に)
    • トレンド: 次数2のモデル(水準成分と傾き成分)
    • 季節成分: 毎月の変動をダミー変数で
  • 観測モデル
    • 観測値: 観光来訪者数
      • もともとは計数値だが、数が大きく、さらに1万人単位としたので、正規分布を仮定

モデルのRコード

KFASでモデルを作成

quake <- c(rep(0, 36), rep(1, 12)) # 地震影響のダミー変数
model <- SSModel(
  Num ~ SSMregression(~ quake, Q = NA) + # 回帰成分
        SSMtrend(degree = 2,             # トレンド成分
                 Q = list(matrix(NA), matrix(NA))) +
        SSMseasonal(period = 12, Q = NA, # 季節成分
                    sea.type = "dummy"),
  H = NA, data = k_data)

あてはめと平滑化

  • モデルあてはめ: 状態モデル・観測モデルの分散を推定

  • カルマンフィルタによる平滑化

fit <- fitSSM(model, inits = c(0, 0, 0, 0, 0))
smooth <- KFS(fit$model) |>
  coef(filtered = FALSE)

結果: 地震の影響

地震影響の係数の推定値

1か月の来訪者数がおよそ4.4万人減少と推定

結果: 水準成分

傾き成分

季節成分

まとめ

  • 能登半島地震の影響による来訪者数の減少は1か月あたり4.4万人程度と推定
    • 厳密に言うと、2024年1月以降の減少なので、同時期の他の影響もありうる
  • 2021年の秋以降、来訪者数は増加傾向にあるが、増加率は最近減少
  • 来訪者数は毎年11月にもっとも多い
  • 来訪者数が少なくなるのは1月と2月